▼本文へ
▼総合メニューへ

▲このページの先頭に戻る
▲このページの先頭に戻る

第十六回 利用者の生きがい奪わないで=生活支援軽視の改定案に怒り=

 

来年度は、医療保険・介護保険同時改定の年です。現在、来年4月の介護保険改定の中身が少しづつ基準案として出される様になってきました。おおまか に言うと医療系(訪問看護・通所リハ等)には手厚く、介護系(訪問介護)には厳しく・・・という内容になっています。今回は訪問介護に対しての改定(案) について紹介します。

現行の訪問介護で提供される生活支援は60分を軸にそれ以内かそれ以上かで分かれており、報酬は30分以上60分未満で229単位(229円)、 60分以上は上限無く291単位(291円)となっています。検討されている案は60分を45分の軸に変えて報酬を設定する内容となっており、併せて身体 介護と抱き合わせの一回の訪問についても、現行で上限概ね二時間を一時間三十分に時間短縮することが検討されています。

なぜ時間短縮なのか?その根拠となっているのは、今年6月、都道府県が任意に抽出した10保険者の訪問介護事業所を対象にした調査結果です。民間シ ンクタンクが調査研究した結果、調理や配膳・掃除・買い物等の生活支援は、単体でも組み合わせでも45分以内に収まるケースが6割あると結論付けたので す。平均サービス提供時間の内訳は、調理や配膳に32分、掃除に27分、洗濯に16分、買い物に28分となっています。

現場ではこの調査結果に疑問と怒りを感じています。実際には、生活支援をしながら自立支援の観点で利用者と共に家事を行ったり、話しかけや見守りを するなど援助方法は様々であり、体調や表情を確認してその場で援助方法を変えるなど単純ではありません。利用者の存在を置き去りにしてただ生活支援をして いるのではなく、洗濯機を回して止まったら洗濯物を干して「はい!おわり」という訳には行きません。専門的に訪問介護員が行う生活支援を通して、結果とし て利用者の生きがいや心身の機能向上に繋がっているのです。そうした点から見ても、この改定案は訪問介護の生活支援の実際とその結果を軽視していると言わ ざるを得ません。生活支援に関しては、報酬改定だけでなくそもそもそれ自体を民間のボランティア(互助的)に移行させる改革案も出ており、生活支援こそ自 立支援だと日々感じている現場から、介護保険改定案の再検討を強く訴えたいと思います。 (やすらぎ訪問看護ステーション(居宅)




シリーズ介護の現場から 一覧

>> 戻る