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山梨勤医協のあゆみ・理念

 

山梨勤医協の誕生

 山梨勤労者医療協会(略称:山梨勤医協)のあゆみは、1955年の甲府診療所開設から始まります。開設の資金は、約100人の人たちから寄せられた4万8千円の募金と、借入金30万円でまかないました。当時の「山梨時事新聞」は、甲府診療所の創立を「「ニコヨン病院、汗の十円玉で建つ」「政治は頼りにならぬ」という見出しを付け、「素晴らしき人生」という7段コラムで甲府診療所を紹介して賛辞を贈っています。
 診療所設立趣意書では「1.健康保険のあるなしにかかわらず、どんな人でもすべて保険の料金で気やすく診療が受けられます。 2.往診は夜間、遠近にかかわらず進んで出向きます」と約束し、その約束通りに私たちの先輩は奮闘しました。朝は6時から夜12時まで玄関を開けて診療に応じ、入院ベッドを持たなくても「患家は病室である」と酸素ボンベや点滴器具を患者の家に持ち込み、重症患者を往診しました。

医療に対する基本姿勢

 私たち山梨勤医協は、「貧富の差によって医療が差別されてはならない」を基本姿勢として、医療をすすめてきました。差額ベッドは置かず個室は症状に応じて入ってもらう、生活に困難を抱える人々の相談にのり生活保護など社会保障が受けられるようにする、病気を生活と労働の場からとらえるなどの姿勢は、「働く人々の立場に立ち親切でよい医療の実践」という設立当初からの姿勢であり、現在もそして未来も変わらない私たちの基本姿勢です。

健康友の会とともに

 「自分たちの健康は自分たちで守ろう。不治の病のときに備えて、普段から医療費の準備をしよう」 と患者の相互扶助の組織として共立互助会ができたのは1961年でした。この共立互助会は現在では山梨健康友の会へと発展し、共に力を合わせて勤医協の発展を築いてきました。
 現在の健康友の会は、病院・診療所の医療活動から経営に至る全ての活動を相談しいっしょにすすめる組織であり、私たちが医療活動をすすめる上でなくてはならないパートナーです。

倒産・再建

 山梨勤医協は1983年、230億円の負債をかかえて倒産しました。直接の原因は、医療以外の事業に資金を投入しその資金が回収できなくなったためです。しかし真の原因は、「良い医療とは赤字になるもの。赤字は他の事業で稼いで穴埋めする。」という誤った医療観・経営観にありました。
 この医療観・経営観は、患者にとって必要で十分な医療を確保し、経営的にも安定できるよう診療報酬を含む医療制度の変革をめざすという勤医協本来の理念から逸脱したものでした。また、一部幹部の独断を許してしまったことも主要な原因でした。
倒産というきびしい試練をうけ、私たちは多くのものを学びました。「民主主義」ということの内容を考えさせられ、団結した職員の力の偉大さを知り、何よりも医療は患者や地域住民と共につくるものであることを考えさせられました。
 負債の返済には15年という年月を要しましたが、負債全額の返済を完了し現在に至っています。

勤医協の今、そしてこれから

 今、貧困格差が進み、医療や福祉を受ける権利が保障されない多数の人々が生まれています。保険料が高すぎて払えず保険証がなかったり、窓口負担が心配で医療機関にかかれないなどの事態が広がっています。介護においても、介護を必要とする人が十分に介護を利用できない事態が広がっています。
 このような状況のもとではじめた無料低額診療事業は、経済的理由で医療を受けることができない人々に対し、一定の条件の下で無料または低額な診療を行う事業であり、差額ベッド料がないことと合わせて多くの患者さんに喜ばれています。山梨勤医協は今後とも憲法の理念を高く掲げ、いつでも・どこでも・誰もが安心して医療にかかれるよう、無差別・平等の医療と福祉の実現をめざしていきます。健康友の会や心ある多くの方々と共に。

公益社団法人の認定

  公益法人の条件を厳しく設定した新しい法律のもとで山梨県から「公益」の認定を受け、2014年4月それまでの社団法人から「公益社団法人」へと移行しました。
 私たちの医療の中で特に公益性が高いと評価された領域は、ひとつは救急医療の分野(厚生労働大臣が定める基準の3.3倍の救急車搬入件数など)、第二は生活困窮者への支援分野(無料低額診療や差額ベット料がないなど)、第三には障害者の医療(小児リハビリ医療や障害者歯科医療など)、第四には医師や看護師の養成分野(臨床研修病院での医師養成や共立高等看護学院での看護師養成など)です。4つの領域は独立して存在しているのではなく、これらを支える日常の医療があってはじめて成り立つ領域であることを考えれば、私たちの日々の医療そのもの・日常医療の「総合性」に高い公益性が認められたものといえます。
 今後も「貧富の差によっていのちが差別されない」医療の確立を目指し、公益社団法人としての役割を果たしていきます。

 




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