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県社保協 県内21自治体を訪問し懇談

権利としての社会保障の実現のために~高すぎる国保料(税)で滞納者増加


山梨民医連も加盟する山梨県社会保障推進協議会は、8月~9月の期間、県内27市町村のうち21市町村を訪問し、高すぎる保険料(税)の引き下げ、一ヵ月の短期保険証の発行の中止などを要請し、懇談を行いました。今回の自治体訪問の経過と特徴を長坂正春県社保協事務局長にお聞きしました。

世帯の2割近くが保険料(税)を滞納 
「三ヵ月ほど前から肩と背中に痛みがあり、生活支援者に同行してもらい共立病院で受診し肺がんと診断。すでに手術はできず五ヵ月後に死亡した。両親は他界し親せきからの援助もなく、知人の家を転々とし、生活に困窮していた」(無保険の50代の男性)。これは、山梨民医連が国保など経済的事由による手遅れ死亡の1事例です。山梨民医連の調査によると2006年から昨年までの8年間に22人が死亡し、昨年だけでも4人が死亡しました。これは氷山の一角です。日本は本来、国民皆保険制度であり、被用者保険に入れない国民は国民健康保険に加入しなければなりません。山梨県内では国保に加入している世帯の2割近くが保険料(税)を滞納しています。ほとんどの市町村では滞納者に対して有効期限が一ヵ月の保険証を交付し、窓口に来ない限り保険証を渡しません。

生活実態をきちんと調査し対応を 
私たちは5項目の要請として、①国民健康保険料の引き下げ、②短期保険証を有効期間六ヵ月に、③自治体の窓口留め置きは一ヵ月以内に、④医療機関への窓口負担の減免制度の改善、⑤国保の広域化(都道府県単位)に反対することを求め自治体と懇談しました。
懇談では、一般財政からの繰り入れについて、保険料の引上げを抑える努力はあるものの、引き下げを検討する市町村は皆無でした。理由は「一般会計からの繰り入れは、国保ではない保険に加入する人々の理解が得られないから」というものでした。国保加入者は、低所得者が多く、社会保険のような事業主負担がありません。4人家族で所得100万円のモデルケースで甲府市は年間17万円、身延町は21万円を超えて保険料(税)を支払わなければなりません。
今回の要請では、滞納世帯への保険証の発行を悪質な滞納者でないかぎり、六ヵ月の短期証の発行を求めました。県内の多くの自治体は滞納世帯に対して本人が役所窓口に行き、滞納分の一部を納付しなければ保険証を受け取れません。収納率を高めるための手段としています。私たちは滞納世帯への対応について、生活の困窮状況を確認し国民健康保険法の「特別の事情」の規定を適用し、誰もが必要な医療を受けられるようにきちんと生活実態を調査し対応することを強く要求しました。

誰もが安心して医療が受けられるように
国保の都道府県単位化について、多くの自治体は国保運営が厳しいことを理由に「運営母体を大きくする必要を感じる」と答えました。国保広域化を進める国の目的は、自治体による国保会計への財政支援をやめさせ、国保加入者の負担を強めて、国民の総医療費を抑制しようというものです。国民健康保険は助け合いの制度ではなく、「国民が安心して医療にかかれるための権利としての社会保障」です。経済的な格差が広がるなか、誰でも払える保険料(税)にするため、国からの負担金の増額と合わせて、自治体からの繰り入れと、自治体独自の減免制度の拡充が必要です。滞納した期間や金額を理由に保険証の取り上げや限度額認定証を交付しないことがないようにきちんと調査することが必要です。お金の心配なく、誰もが必要な医療を受けることを可能とする真の国民皆保険制度の実現をめざし、県社保協は今後もこの取り組みを続けていきます。

1面:県社保







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