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概要

いのちをみる-2014

5私の専門領域は、3つの分野に分かれています。まず1つ目は、皮膚に発生する様々なトラブルの相談を受けています。例えば、手術で出来た傷の治りが良くない。寝たきりの状態になると出来やすくなる傷の相談。転んで出来た傷、やけど、できもの等様々な皮膚に生じた問題に対応しています。2つ目は人工肛門・膀胱のケアです。人工肛門の手術を受けた後には、便や尿を受ける袋状の「装具」と言う物が必要になります。沢山ある装具の中から患者さんに合う物を選択し、傷の管理や日常生活の指導などをしています。3つ目は排泄に関するケアです。これは排尿や排便に関する問題を解決して行くことです。日常的には、週に2回「褥瘡(じょくそう)回診」と言って床ずれなどの皮膚の傷がある方の回診を外科医、管理栄養士、リハセラピスト(身体の動きを担当するリハビリ)と一緒に行なっています。傷が出来た原因を考えながら、傷が早く綺麗に治るようにチームで考えています。また、週に1回NST(栄養サポートチーム)回診と言って、栄養が不足している患者さんの回診に、外科医、管理栄養士、薬剤師、リハセラピスト(言葉や飲み込みを専門に担当するリハビリ)、検査技師などのチームで、体の中の栄養状態を改善する事で、病気と闘える体力を付けられるように活動をしています。私の担当している領域は、人が生まれてから、最期を迎えるその時まで全てのライフステージにある方が対象となります。私のモットーは「おいしくご飯を食べて、気持ちよく排泄する事」です。健康な時は当たり前の事が、病気になるとその重要性が実感できます。日々の業務の中では、本当にこれで良いのか?他にもっといい方法があるのでは?など、悩む事も多いですが、私の役割は「人が生きていく事」を支えていく事だと実感しています。これからも目の前の患者さんの為に、学んできた知識やスキルを発揮して患者さんの幸せの為に活動して行きたいと思っています。山梨勤労者医療協会には様々な看護分野の専門家がいます。その中で私は2012年に感染管理認定看護師の資格を取得し、甲府共立病院で感染管理の専従看護師として働いています。認定看護師取得のきっかけは、看護師としてのキャリアアップを考えていたことや、職場の上司の後押しがあったことです。認定看護師資格の取得を目指すと決めた日からは、研修学校に入学するための受験勉強、研修学校入学後はレポートや復習など勉強に明け暮れた日々を過ごしました。大変なことも多くありましたが、学ぶことの大切さや楽しさを実感し充実した毎日でした。こうして今私が認定看護師として活動できるのは、様々な面で支援してくれた方々のおかげでもあります。現在の業務は、問題となる微生物の検出状況の把握、様々な職場からの感染対策に関する相談窓口、学習会講師など看護部門にとどまらず様々な職場・職種の方々と関わっています。時には病院を飛び越えて活動することもあります。このような活動の基盤となっているのは「感染対策はみんなのもの」という考えです。病院内で発生する様々な感染対策上の問題は病院全体の問題として、働くみんなで共有し取り組むことが大切です。甲府共立病院では、医師、薬剤師、臨床検査技師、看護師などで構成されるICT(Infection Control Team=感染制御チーム)が感染管理活動の中心となって活動しています。それぞれの職種が専門的な知識のもとで情報を分析したり、問題点を解決する方策を考えたりします。そして各職場には、感染対策のリーダー的な役割を持つ感染対策マネージャーが配置され、日常的な感染対策の実践を行っています。このように感染管理活動は決して一人で行うものではなく、チームや病院全体で取り組む活動です。看護学生の皆さん、私たちと一緒に感染対策について考え安心・安全な看護の提供を目指してみませんか?甲府共立病院感染管理認定看護師小林智子甲府共立病院皮膚・排泄ケア認定看護師林幸恵おいしく食べて・気持ちよく排泄を!感染対策はみんなのもの認定専門看護師の活動