当プログラムは、2008年に山梨県で初めて日本プライマリ・ケア連合学会の家庭医療専門研修プログラムに認定されました。今まで3名の家庭医療専門医を輩出し、家庭医の養成に努めてきました。現在のプログラムは家庭医療プログラムバージョン2に認定されています。
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臓器別専門医との比較 | |||
家庭医 | 臓器別専門医 | |||
特定の個人・家族・地域の →〇〇さん、〇〇さんち、〇〇地域 |
特定の疾患を持つ患者の | |||
すべてに |
特定の疾患に | |||
継続的に →ライフコースに沿って |
特定の問題が生じたときに | |||
かかわる |
診断・治療する |
甲府共立病院は、2010年に山梨県で初めて総合診療病棟を立ち上げました。総合診療病棟では、臓器別でない総合的な診療を行い、患者さんの抱えるさまざまな問題に、多職種で総合的にアプローチしています。また、初期・後期研修医の教育病棟としても機能し、多彩なカンファレンスを開催しています。
平成27年4月から9月までの6か月間に、総合診療病棟に入院した患者を疾患別にまとめました。 腎臓内科医と神経内科医がいるので腎臓疾患が多いですが、各疾患を幅広く経験できることがわかります。 |
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3名の家庭医療専門医のほかに、プログラム全体で日本プライマリ・ケア連合学会認定医が6名在籍しています。現場での経験を基盤とした家庭医療専門医に必要な総合的な知識・技術・態度を指導します。また、ポートフォリオ作成の指導も責任をもって行います。また、家庭医療プログラムの専攻医は家庭医部会に所属し、定期的に振り返りや学習会、合宿を行い、家庭医療に対する理解を深めます。
家庭医療専門医 | ||||
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遠藤武男Dr |
志村直子Dr |
白井章太Dr |
家庭医療部会合宿IN下部温泉 2016 | ||
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家庭医療部会合宿 | |||
第1回 | 2010年1月 | ワークショップ①生物心理社会的アプローチ | 神の湯温泉 |
特別報告:水俣病検診報告 | |||
第2回 | 2010年7月 | ワークショップ①禁煙支援・禁煙治療 | 八田温泉 湧暇李の里・樹園 |
ワークショップ②行動変容 | |||
第3回 | 2011年3月 | ワークショップ①患者中心の医療とは? | 積翠寺温泉 要害 |
ワークショップ②脱水時の患者指導 | |||
特別報告:東日本大震災医療支援報告 | |||
第4回 | 2012年1月 | ワークショップ①高齢者ケアの意思決定プロセスに関するガイドライン | 湯村温泉 明治 |
ワークショップ②高齢者総合評価 | |||
第5回 | 2013年4月 | ワークショップ①家庭志向型のケア | おいいしい学校 香りの湯 |
ワークショップ②地域ヘルスプロモーション | |||
第6回 | 2014年9月 | ワークショップ①QI(診療の質改善) | 芦安温泉 岩園館 |
ワークショップ②IPE(多職種連携教育) | |||
第7回 | 2016年3月 | ワークショップ①Advance care planning | 下部温泉 不二ホテル |
ワークショップ②Chronic care model | |||
第8回 | 2017年4月 | ワークショップ①禁煙外来と行動変容 | 十谷温泉郷 山の湯 |
ワークショップ②患者中心の医療 | |||
第9回 | 2018年3月 | ワークショップ①BPS(生物心理社会)モデルを用いた困難事例へのアプローチ | 岩下温泉旅館 |
ワークショップ②SDH(健康の社会的決定要因)を見落とさない問診を考える |
当プログラムには、急性期病院、療養病棟や回復期リハビリテーション病棟を持つ中小病院、診療所など、さまざまなフィールドがあります。専攻医は、各フィールドでの診療を経験できるとともに、救急・外来、病棟、在宅と、継続して患者さんに関わっていくことができます。また、山梨県立中央病院(救急、皮膚科、泌尿器、緩和ケア)、山梨大学医学部(社会医学)とも連携しています。
病院の総合診療部門、中小病院、診療所など、様々なフィールドで活躍することができます。
総合診療専門研修Ⅰ:巨摩共立病院、石和共立病院、武川診療所、御坂共立診療所 6~12ヶ月
総合診療専門研修Ⅱ:甲府共立病院 6~12 ヶ月
合計で 18ヶ月の研修を行います。
甲府共立病院:内科6ヶ月、小児科3ヶ月の研修を行います。
救急科は総合診療研修Ⅱにおいて、週に1単位甲府共立病院にて行ないます。
また、山梨県立中央病院救急科を選択することも可能です。
甲府共立病院:外科・整形外科・産婦人科・精神科・耳鼻咽 喉科・眼科
石和共立病院:リハビリテーション科
山梨県立中央病院:皮膚科・泌尿器科・緩和ケア
山梨大学社会医学講座:社会医学
合計6ヶ月の範囲で専攻医の意向を踏まえて決定します。
本研修プログラム の施設群によるローテーション例を示します。
ローテーション例 | ||||||||||||
1年目 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
内科研修 (甲府共立病院) |
総合診療専門研修Ⅱ (甲府共立病院総合診療部) *週1日、6ヶ月間救急科兼任研修 |
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2年目 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
総合診療専門研修Ⅱ (甲府共立病院総合診療部) *週1日、6ヶ月救急兼任研修 |
その他 選択 | |||||||||||
3年目 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | 1月 | 2月 | 3月 |
総合診療専門研修Ⅰ (巨摩共立病院) |
その他 選択 | 小児科研修 (甲府共立病院) |
*初期研修医の指導を総合診療専門研修Ⅱの期間に行ないます。
【一般目標(GIO)】
地域において質の高いプライマリケアを提供し、地域の人々の健康を増進するための幅広い知識・技能・態度を習得する。
【行動目標(SBOs)】
①外来や病棟において、よくみられる健康問題に対して、EBMに基づいた適切な診断・治療・管理・教育を行うこと ができる。
②患者の問題を心理、社会、家族、地域などの脈絡の中で考え、良好な医師患者関係を築き、患者中心の医療 を実践することができる。
③診療において健康増進・疾病予防の視点をもつことができる。
④地域の特性や資源を知り、地域のニーズに応えた医療を実践することができる。
⑤医療・介護に関わる他のスタッフとチーム医療が実践できる。
⑥診療所や病院の経営・管理を考慮して、診療を行うことができる。
⑦他の医療機関や専門医と連携がとれ、適切にコンサルトできる。
⑧生涯学習を継続できる。
⑨自己の研究課題について研究を深め、学会発表を行う。
⑩研修医や他職種の教育を行うことができる。
甲府共立病院後期研修委員会と家庭医部会によってサポートと評価を受けます。 後期研修委員会は各科の後期研修医・指導医が1ヶ月に1度集まり、研修医による自己評価と、指導医による 評価を行います。 家庭医部会は1ヶ月に2回開催し、研修の到達度や課題について話し合い、評価を行います。
毎月の研修評価、ポートフォリオ、各科の研修指導医による評価を元に、プログラム責任者が認定を行います。
3年間のプログラム終了後、家庭医療専門医の受験資格が得られます。
募集人数: 2名
【専門医 プライマリケア認定医 専攻医】
①家庭医療専門医
志村直子(甲府共立病院総合診療病部 山梨医科大学 2002年卒 プログラム責任者)
遠藤武男(巨摩共立病院 山梨医科大学 2004年卒)
白井章太(武川診療所 山梨大学 2010年卒)
②プライマリ・ケア認定医
西山敦士(甲府共立病院消化器内科 山梨医科大学 2000年卒)
平田 理(甲府共立病院心臓血管外科 山梨医科大学 1987年卒)
鶴田 真(甲府共立病院小児科 富山医科薬科大学 2004年卒)
高木 績(甲府共立病院内科 鳥取大学 1983年卒)
金子さき子(巨摩共立病院 山梨医科大学 1990年卒)
太田昭生(石和共立病院 山梨医科大学 1996年卒)
③専攻医
石倉慶彦(巨摩共立病院 帝京大学 2011年卒)
塚原恭平(甲府共立病院 獨協医科大学 2015年卒)